独自にサイトやブログを公開するためには、まずドメインを取得する必要があります。
では、ドメインはどこでどのように取得すればいいのでしょう?
こちらでは、大手と呼ばれるドメイン取得・販売サービス会社の特徴やメリット・デメリット、料金などについて比較してみました。
レジストリとレジストラについて
ドメインに関連して、レジストリとレジストラという名前を聞いたことがありませんか?
レジストリとレジストラには、それぞれ違った役目があります。
レジストリについて
「レジストリ」、は登録ドメイン名のデータベースを維持管理する機関です。
例として「.com」や「.net」は、「VeriSign」というアメリカの企業(レジストリ)によって管理されています。
日本にあるレジストリと言えば、「株式会社日本レジストリサービス」になります。
「株式会社日本レジストリサービス」は、国別コードトップレベルドメイン「.jp」の登録・管理を行っています。
レジストラについて
「レジストラ」は、登録者からドメイン名の登録申請を受け付け、その登録データをレジストリのデータベースに登録する機関の事です。
「レジストラ」は「ICANN(The Internet Corporation for Assigned Names and Numbers)」によって認定されており、直接「レジストリ」と契約を結んでいるドメイン登録業者になります。
「レジストラ」はドメインの販売業者で、ドメインの登録・管理用のデータベースにアクセスする権利を持ちます。
2022年2月現在、日本の「ICANN公認レジストラ」は、19社あるようです。
日本のICANN公認「レジストラ」には、下記のような会社があります。
・GMOインターネット株式会社:
お名前.com、ムームードメイン、バリュードメインなどのドメイン販売サービス
お名前.comレンタルサーバー、ロリポップ!、コアサーバーなどのレンタルサーバー事業
・カゴヤ・ジャパン株式会社
クラウドやレンタルサーバーのカゴヤ・ジャパン
・ネットオウル株式会社
ドメイン販売サービスのスタードメイン
レンタルサーバーのスターサーバー
エックスサーバーの関連会社
・株式会社日本レジストリサービス:
「.jp」のドメイン名レジストリ
ドメインは、国内の「レジストラ」もしくは「リセラー」と呼ばれる会社から取得します。
「リセラー」とは、レジストラの下でドメインの登録受付業務を行う事業者の事で、「バリュードメイン」「Xserverドメイン(エックスサーバードメイン)」「ムームードメイン」などはこれにあたります。
ドメイン販売サービス会社のキャンペーン価格について
各ドメイン販売サービスは、1年を通して何らかのキャンペーンを行っており、新規取得する際の料金は格安で販売していることが多いです。
例えば、2022年2月の時点で、各社が行っている新規取得の「.com」の料金をまとめてみました。
- お名前.com:1円
- バリュードメイン:1,130円(GMO)
- ムームードメイン:500円
- スタードメイン:980円
- Xserverドメイン:1円
「お名前.com」と「Xserverドメイン」は、新規取得1円のキャンペーンを行っています。
ですが、期間限定のキャンペーンなので通年で提供している価格ではありません。
アフィリエイターの中には、1円で販売している間に大量にドメインを取得して、サテライトサイト用に利用して更新せずに使い捨てという手法で展開している方もいます。
中には、スパム用のメルアドとして利用するために、割引されたドメインを大量に取得し更新せずに使い捨てる業者もいます。
これらは正攻法ではなくブラック手法なので、通常はドメインを取得したら長期間保有して運用することが基本になっています。
ですので、ドメイン販売サービス会社は、新規取得の料金は割り引いても更新料金は値引きしないのが普通です。
中には、一定数以上のドメインを所持するユーザー向けに、お得意様割引サービス(バルクレジスター)を適用している業者(例:バリュードメイン)もありますが、通常は割引料金が設定されるのは新規取得の時だけになります。
ということで、割引料金はあくまでも通年料金ではなく参考にならないため、コチラでは各ドメインの更新料金で比較してみたいと思います。
ドメイン販売サービスのドメイン料金比較
各ドメイン取得・販売サービスの主要ドメインの通常価格(更新料金)を比較してみました。
背景オレンジ色は最低価格、背景水色は最高価格、背景色がない行は全て同じ価格になります。
ドメイン名 | お名前.com | バリュードメイン | ムームードメイン | スタードメイン | Xserverドメイン |
---|---|---|---|---|---|
.com | 1,408円 | 1,510円(GMO) | 1,728円 | 1,500円 | 1,298円 |
日本語.com | 1,408円 | 1,510円(GMO) | 1,728円 | 1,500円 | 1,298円 |
.net | 1,628円 | 1,628円(GMO) | 1,628円 | 1,620円 | 1,518円 |
日本語.net | 1,628円 | 1,628円(GMO) | 1,628円 | 1,620円 | 1,518円 |
.jp | 3,124円 | 3,124円(JPRS) | 3,344円 | 3,100円 | 3,102円 |
日本語.jp | 1,309円 | 1,309円(JPRS) | 1,518円 | 1,280円 | 1,298円 |
.org | 1,628円 | 1,628円(GMO) | 1,848円 | 1,630円 | 1,518円 |
.biz | 1,738円 | 1,738円(GMO) | 1,738円 | 1,740円 | 1,628円 |
.info | 1,628円 | 1,628円(GMO) | 2,029円 | 1,630円 | 1,628円 |
.mobi | 2,178円 | 2,178円(GMO) | 2,400円 | 2,180円 | 2,178円 |
.shop | 4,378円 | 4,378円(GMO) | 4,378円 | 取扱なし | 取扱なし |
.tokyo | 1,628円 | 1,628円(GMO) | 1,628円 | 取扱なし | 取扱なし |
.site | 4,378円 | 3,278円(GMO) | 4,378円 | 取扱なし | 4,268円 |
.online | 5,478円 | 4,378円(GMO) | 5,478円 | 取扱なし | 5,368円 |
.xyz | 1,628円 | 1,628円(GMO) | 1,628円 | 1,630円 | 1,628円 |
.asia | 2,178円 | 2,178円(GMO) | 2,178円 | 2,180円 | 2,178円 |
.top | 2,728円 | 2,720円(GMO) | 3,278円 | 取扱なし | 取扱なし |
.click | 1,628円 | 2,178円(GMO) | 3,278円 | 2,180円 | 1,628円 |
3,245円 | 3,498円(GMO) | 3,498円 | 取扱なし | 3,278円 | |
.cloud | 2,178円 | 2,170円(GMO) | 2,504円 | 取扱なし | 取扱なし |
.me | 2,728円 | 2,728円(GMO) | 2,728円 | 2,730円 | 2,728円 |
.blog | 3,278円 | 3,278円(GMO) | 3,278円 | 3,280円 | 3,058円 |
お名前.comについて
「お名前.com」がサービスを始めたのは1999年9月10日で、ドメインの登録実績は2,700万件を超えており国内シェアはNO.1。
「ドメイン・レンタルサーバー」業界では、「お名前.com」などを中心とした「GMOグループ」がダントツの勢力を誇っています。
「お名前.com」では、常時「ドメインオークション」なども開催しており、中には1,000万円を超えるドメインなども出品されています
また、「.com」などの新規ドメイン取得の「1円キャンペーン」も随時開催しており、「.com」「.net」「.jp」などの料金は、同じ「GMOグループ」の「バリュードメイン」や「ムームードメイン」よりも安価で設定しています。
個人的にも、「.jp」ドメインを中心に複数所有していますが、不満点もあります。
それは、ドメイン更新時期になるとメールやSMSメッセージ攻勢がすごいこと。
うんざりするくらい「忘れるな!」案内が来ます。
以前ははがきまで来ていましたが、会員ページに「更新案内はがき送付」を希望しないという項目があったことに気付きチェックを入れました。
それ以来はがきは来なくなりましたが、メールやSMSメッセージは止まりません。
最近は、LINEの認証要求まで来ます。
はがき同様に、SMS連絡やLINE連絡も「連絡の希望ありなし」を選べればいいんですけど…
物事を忘れっぽいという方にとっては、「お名前.com」は最適かもしれません。
いずれにしても、ドメイン取得で「お名前.com」を無視することは出来ません。
- 知名度が高く国内シェアNo.1
- 安心GMOグループが運営
- 取り扱いドメイン数は580種類以上と多い
- 料金は他社に比べて手頃
- レンタルサーバーの利用で、独自ドメインを一つ永久無料で利用できる
- Whois情報公開代行は無料で利用可能
- ドメイン更新のメッセージ攻勢が過剰
- 汎用型JPドメイン(.jp)と都道府県型JPドメインで、whois情報公開代行の設定が出来ない
バリュードメインについて
「お名前.com」が勢力を拡大する前までは、アフィリエイターは「バリュードメイン」か「ムームードメイン」でドメインを取得するのが主流でした。
特に、中古ドメインが主流だった頃には、「バリュードメイン」の中古ドメインオークションは盛況でした。
個人的に、ドメインを一番多く所有しているドメイン取得サービスです。
というのは、一番ドメインを取得していた時期、「バリュードメイン」の価格が一番安かったからです。
最初購入した頃は800円前後だったような記憶があります。
あの時期に比べると、ドメインは2倍ぐらいに値上がりしてしまいました。
「バリュードメイン」を気に入っている理由の一つに、通常はどの業者も値引きしない更新料金に「お得意様割引価格」があるからです。
但し、これは自分から問い合わせないと適用されないので、該当する方は忘れずに問い合わせることをオススメします!
新規取得に関しても、まとめ買いすると割引料金が適用されます。
ドメイン | 新規取得 | 更新(通常価格) | 更新(15個以上所有) | 更新(100個以上所有) |
---|---|---|---|---|
.com(GMO) | 1,130円 | 1,510円 | 1,435円 | 1,270円 |
.net(GMO) | 1,310円 | 1,628円 | 1,518円 | 1,485円 |
.org(GMO) | 1,325円 | 1,628円 | 1,595円 | 1,540円 |
.info(GMO | 380円 | 1,628円 | 1,606円 | 1,573円 |
.biz(GMO) | 200円 | 1,738円 | 1,716円 | 1,683円 |
「15個以上」「100個以上」というのは各ドメインごとの所有数ではなく、総数になります。
「バリュードメイン」での所有ドメインが100個以上であれば、「.com」は1,270円ということになり、1個に付き240円も値引きされるのでかなり有利です。
仮に「.com」を100個持っていたら、更新料の値引き額は24,000円ですから結構大きな金額です。
- 歴史が長く安定した実績がある
- 取り扱いドメイン数は570種以上と多い
- 汎用型JPドメイン(.jp)と都道府県型JPドメインで、whois情報公開代行の設定をすることができる
- まとめ買いや多数所有している大口顧客向けに、新規・更新料金割引制度がある
- コアサーバーを利用することで、独自ドメインを一つ永久無料で利用できる
- 複数ドメインを一括で延長・更新出来るので便利
- Whois情報公開代行は無料で利用可能
- メールの24時間受付だけでなく、ライブチャットに対応している
- 管理画面が若干使いづらい
ムームードメインについて
「ムームードメイン」は、個人的に「バリュードメイン」の次にドメインを所有しています。
「お名前.com」が勢力を拡大する前は、「バリュードメイン」と勢力を争っていました。
以前は価格的にも「バリュードメイン」とは同等でしたが、最近では一番需要の多い「.com」や「.jp」ドメインは一番高値ですね。
「GMOグループ」なので、「お名前.com」や「バリュードメイン」の金額に合わせてもらいたいのですが…
- 歴史が長く安定した実績がある
- ドメイン申し込み総数は400万件を突破しており実績は抜群
- 取り扱いドメイン数は400種類以上と多い
- 管理画面は使いやすい
- ロリポップを利用することで、独自ドメインを一つ永久無料で利用できる
- Whois情報公開代行は無料で利用可能
- チャットサポートが利用できる
- 同じGMOグループの「お名前.com」や「バリュードメイン」と比較すると料金が高め
- 汎用型JPドメイン(.jp)と都道府県型JPドメインで、whois情報公開代行の設定が出来ない
Xserverドメイン(エックスサーバードメイン)について
数年前までは、「分野別トップレベルドメイン(gTLD)」の中でも主要なドメイン「.com」「.net」「.org」の価格は、他社に比べるとかなり割高でしたが、いつの間にか「Xserverドメイン」が一番低価格になっています。
「ドメイン・レンタルサーバー」業界では、「お名前.com」などを中心とした「GMOグループ」が勢力を拡げていますが、対抗軸として「ネットオウル」を傘下に収めた「エックスサーバー株式会社」にも頑張ってもらいたい。
ドメイン価格は年々上昇しており、このまま「GMOグループ」が勝利をおさめると、ドメイン価格も自由に高値設定されそうで怖いからです。
レンタルサーバーでは「エックスサーバー」が一番使いやすく、個人的にも10年以上利用しています。
取り扱いドメインの種類は少ないですけど、取得するドメインの殆どが「.com」「.jp」なので、これから取得するドメインは料金が安い「Xserverドメイン」をメインにしてもいいかなと考え中です。
- 主要ドメインの「.com」「.net」「.org」が格安
- 汎用型JPドメイン(.jp)と都道府県型JPドメインで、whois情報公開代行の設定をすることができる
- 人気の「エックスサーバー」との融和性が高い
- Whois情報公開代行は無料で利用可能
- エックスサーバー利用で、独自ドメインを一つ永久無料で利用できる
- 管理画面が使いやすい
- 24時間365日のメール受付だけでなく、平日10:00~18:00は電話サポートも対応している
- 取り扱いドメイン数は70種類ほどと少なめ
- レンタルサーバーの知名度や人気は高いが、ドメイン販売サービスとしての知名度は低め
スタードメインについて
「スタードメイン」は、2009年に設立された「ネットオウル株式会社」が運営している「ドメイン取得サービス」です。
「ネットオウル株式会社」は、「GMOインターネット株式会社」同様「ICANN公認レジストラ」です。
2013年には「エックスサーバー株式会社」傘下になっており、「GMOグループ」に対抗するライバルグループなので、対抗軸としてぜひ頑張ってもらいたいドメイン会社です。
ドメインの種類は、「GMOグループ」に比べると少ないようですが、「.com」「.net」「.jp」などの主要ドメインは、「バリュードメイン」「ムームードメイン」に比べると若干低めに価格設定しているようです。
- 主要ドメインは、他者と同等若しくは若干低価格
- 汎用型JPドメイン(.jp)と都道府県型JPドメインで、whois情報公開代行の設定をすることができる
- スターサーバー利用で、独自ドメインを一つ永久無料で提供している
- whois情報公開代行の設定を行う機能はないが、未記入でwhois情報公開代行が自動的に設定される
- ドメイン料金の20%がポイントとして貯まるお得なポイントシステムがある
- 複数ドメインの一括取得が可能
- 運営会社のネットオウル株式会社は、ICANN公認「レジストラ」である
- 申込件数は70万件突破し実績も高いが、GMOグループの「お名前.com」等に比べて知名度が低め
- 取り扱いドメイン数は70種類ほどと少なめ
- 問い合わせがフォームのみで、チャットサポートに対応していない
まとめ
こちらでは、主要ドメイン取得サービス5社の特徴・メリット・デメリットをまとめてみました。
また、よく利用される人気のドメインについて、各社の通常料金(更新料金)を比較しています。
「GMOグループ」である「バリュードメイン」「ムームードメイン」や、国内シェアNo.1の「お名前.com」に関しては、取り扱いドメイン数が400~500種類以上と、「Xserverドメイン」「スタードメイン」を圧倒しています。
しかし、個人で利用するドメインは、「.com」「.net」「.jp」「.info」辺りの限られたドメインになるので、取り扱い種類の数に関してはそんなに気にする必要はないと思います。
それよりも、長期に渡り利用した場合にかかる更新料金や、管理画面の使いやすさ、サポート体制などに目を向けて業者を選ぶことをオススメします。
複数ドメインを所有する場合、一つの業者に絞らずにいくつかの業者を使い分けるというのも一つの方法です。
また、人気の汎用型JPドメイン(.jp)と都道府県型JPドメインを利用したい方は、whois情報公開代行の設定が出来るか出来ないかで業者を決める事も大事かもしれません。
これからドメインの取得を考えている方のご参考になれば幸いです。